コストパフォーマンスの良い無効資料調査・先行資料調査とは?
無効資料調査(先行資料調査)には、色々な段階のレベル感と時間感覚が存在します。
公開段階で注目した出願に情報提供をするための先行資料調査と、警告状への対応と並行して相手方特許を無効化するための先行資料調査とでは、調査の規模(レベル感)も持ち時間も、「調査の目的」によって、大きく左右されます。
「調査しすぎ」るのはもったいないケースもあれば
「簡易すぎる調査」では、目的達成できないケースもあり得ます。
すなわち一律に「安いから、リーズナブルで良い調査」とも言えないし、「高額だけれど、しっかり調査してもらえれば」が良い、とも言えません。
無効資料調査の依頼をご検討のみなさま
ぜひ調査の目的やレベル感・持ち時間をお聞かせください。
※調査目的等を開示いただくにあたり、機密保持誓約書の提出、機密保持契約の締結、いずれも可能です。お気軽にお申し付けください。
調査料金表に記載の金額は、あくまでも「目安」です。
調査の目的や技術分野(≓先行文献の件数)によってライトな調査をお勧めする事もあれば、ご希望に応じ徹底的な調査をご提案するケースもございます。
無効化調査のレベル感と時間感覚
頻出と思われるケース、4つをピックアップしてみます。
- 1)異議申立・無効審判 (対特許庁)
- ・特許はすでに成立
・審査経過に基づき、無効化のポイントが絞られるケースが多い
・先行例に沿って意見を主張できる (理由補充) - 2)情報提供 (対特許庁)
- ・特許成立前に行うケースが多い
・意見の主張はできない(先行例の提出のみ) - 3)調査のみ (資料は社内留保)
- ・SDI結果に対する調査など。
・何らかの「動き」があるまで
調査結果を社内留保するケースが多い(すぐにはアクションしない) - 4)ライセンス交渉 ※ここではクロスライセンス
- ・クロスライセンスの場合、リストの交換が行われる。
・リストに記載の特許を無効化。(権利が無効なら、権利行使もできない)
・交渉スケジュールに合わせて調査が進行。
・短期間に大量に調査するケースも。
この4つ。
重要度(レベル感)も、調査にかけられる時間も、それぞれ違う・・・というのは、多くの方がイメージできるかと思います。
それでは下記のように順番はつけられそうでしょうか?
- 業種による違い
- 社内でいつもこうしている
- 情報提供をした事がないし、今後も予定はない
…など、「お急ぎ度」も「重要度」も微妙に変わるかと思いますので、決まった「正解」というのはございませんが。
これ、一度考えてみると良い意味で「手を抜くところ」というのでしょうか。
意識的に、調査のさじ加減をコントロールする練習になるかと思います。
無効資料調査をする前に、整理するとよいこと
- 異議申立をしたい
- 無効審判を検討中
- ライセンス対象特許の無効理由を探したい
- 情報提供のための先行例調査
などに使えます。
最低限これだけは準備!
「調査対象」の確認です。
外部に調査依頼をされる場合、最低限、
1)対象の公報番号
2)「特に」どの請求項を無効化したいですか?
→例:「請求項1だけ」「全請求項を」
3)急ぎですか?それほどでもないですか?
この3つの情報があれば、調査可能です。
もし、構成要件に色々な選択肢がある場合は、こちらの情報もあると、調査会社はターゲットを絞れます。
4)「特にこれが問題!」という構成はありますか?
→ 例:配線材料が 「アルミニウム、銅またはタングステン」で、「アルミニウム」で実施中/実施予定ならば、調査ターゲットも「アルミニウム」になります。
これも確認するのがおすすめ
調査対象が変化していないか確認します。
5)無効化対象の「経過情報」を確認。(J-PlatPatなどで)
→ (公開特許、と思っていたら)特許査定が出ていないか?その時の請求項は?
→ (登録特許で)権利消滅、権利移転していないか?
特許査定時の請求項によっては「調査の必要がなくなる」可能性もあります。
権利消滅や権利移転でも、調査の必要がなくなるかもしれません。
可能ならこちらも確認を!
6)調査のレベル感
・何か関連資料が見つかればOK
・請求項を減縮できる資料が欲しい
・警告への反論・無効主張ができるレベル
・何が何でも潰す!!!
レベル感 × 「急ぎか・急ぎでないか」 × 「対象案件の数」でどの程度まで調査が可能か、が決まります。
自力(社内)で調査をされる時も、意識しておくのがおすすめです。
外部に調査依頼を出す場合、レベル感は、言いたくない時もあると思うので弊社側からはあまり「教えてください。」とは言いません。
※お電話などで”ただならぬ気配”を察知して、「こみ入った案件でしょうか?」とお尋ねするケースは、たまにあります。
そうなのですが、レベル感を教えて頂けるとリーズナブルな調査や、全力の調査など、条件に応じてご提案ができます。
7)経過情報の分析
拒絶理由通知や引用例の確認。
「なぜ」現在の請求範囲なのか?を分析して、突破口を探します。
いわゆる「これが書いてある資料を見つけないと、潰せない」という条件特定です。
ただ、ある程度中間処理(特許庁応答)を経験していないと、特許庁からの通知自体が読みにくいとは思います。
ですので、初めて調査依頼を検討される方はこの項目は「パス」して構いません。
8)対応外国特許(パテントファミリー)の有無
対象の製品って、海外で販売や製造、していないですか?
その国には対応特許、出願されていないでしょうか?
もし対応特許があっても、海外で拒絶確定していたり、有力な先行例が挙がったりしていればラッキーですよね!
対応特許は、J-PlatPatの「ワンポータルドシエ(OPD)」メニューや欧州特許庁のEspacenetで確認できます。
こちらも、初めて調査依頼を検討される方、「パテントファミリーって・・・?」という方は「パス!」で構いません。
もし弊社にご相談頂ける場合は、「外国にも製品輸出してて、特許も気になってはいるけど英語も苦手だし、他が色々忙しいしで外国特許、調べてません。」・・・とお声がけいただいたらその場で”秒” で対応特許の有無をお調べできますので、遠慮なく言ってくださいね!